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4月29日にベルグハウスで開かれた、「まりさん、おかえりなさい!」の会のご報告


寄り道したり・・・道草をしたり・・・

かくれんぼをしたりしていた、いたずら好きできまぐれの妖精がようやく、栂池にも ようやく本格的な春を運んできたようです。
そんな4月29日、ベルグハウスに、南極での任務を終えて帰国したまりさんをお迎えして・・・20人の懐かしい顔が集まりました。
南極でのお仕事の様子、昭和基地での日々の生活、感動的なオーロラや白夜、荒れ狂うブリザード、青く輝く氷河、ペンギンやアザラ シ・・・。
日本に住んでいる私たちにとって、想像もできないような「非日常」の遠い世界の出来事が、まりさんの400日の「日常」そのもので あったことを知る貴重なスライドを見せて頂きました。
まりさん自身が切り出して下さった、南極の氷が「しらせ」に乗って東京へ・・・。そしてこの日、栂池まで運ばれてきました。
なんと、私たちは、この貴重な南極氷を口に含む幸運に恵まれたのです。口の中で柔らかくはじける、何億年も前の南極の空気!
グラスの中からささやくような声とともに、長い眠りから覚めて、2010年の信州の青い空の中に解き放たれていく太古の空気。
この不思議な体験にすっかり興奮し、感動しました。
数えきれないほどの白夜と極夜を繰り返し、幾万もののオーロラを見てきた氷に、おそるおそる触れながら・・・私は、自分 がこの氷に出会うことのできたことは奇跡だと実感していました。
みどりのない南極での日々を過ごし、重大な責任を負うお仕事を終えて無事帰国されたまりさんに「おつかれさま」の拍手で労をねぎら いたい、というお父さん、お母さんの発案の会でした。しかし・・ねぎらうはずの私たちは、この日、逆に、まりさんから、自分の夢を確 実に形にした後の、達成感のすばらしさのお裾分けを頂き、自分の夢に誠実に向き合うすばらしさを教えて頂いたような気がしま す。

2ヶ月後の小屋での再会を約束しながら、栂池を後にしました。
インク色の空には、すばらしかった春の一日の終わりにふさわしい、大きな金色の月が静かに輝き、柔らかな春の夜風が紅潮し た頬を心地よく撫でてくれました。

2年ぶりに七倉尾根を上がるまりさんも、1年ぶりに上がる私たちも、樹々の緑のまなざしに包まれる季節がもうじきやってきます。

by ?KON


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“4月29日にベルグハウスで開かれた、「まりさん、おかえりなさい!」の会のご報告”に対するコメントが3あります。

  1. Tweets that mention 4月29日は、これに参加してました。 -- Topsy.com さんのコメント:

    […] This post was mentioned on Twitter by しお, しお. しお said: 4月29日は、これに参加してました。http://photo.lomo.jp/funakubo/?p=984 […]

  2. 加藤孝子 さんのコメント:

    淵上様がわざわざ我が家によって船窪小屋のCDを届け下さいまして、この会を伺い是非参加させていただこうとしましたのに、時刻表を見間違い残念でした。井口様に何時かお会いで来るでしょうか。船窪小屋に行った折りにでもお会いできたら幸いです。南極越冬隊隊長は井村さんでしょうか。井村さんの奥様から暮れに南極のカレンダーをいただきました。何かの縁でしょうか。小屋明けの後登って行こうと思っております。これからは山菜採りと保存にお忙しいことと存じます。お体ご自愛下さいませ。では又

  3. 竹村みゆき さんのコメント:

    お父さん、お母さんお元気でいらっしゃいますか?
    まりさんの南極からの無事のお帰り、心よりお慶び申し上げます。
    素晴らしい大自然の、でも過酷な環境の中、お仕事をこなされ、大変な思いをなさった事とお察し致します。お目にかかった事はございませんが、私のささやかな茶道教室の生徒のご主人、海田さんもこの度の南極に参加、帰路ご一緒でしたとの事、不思議ご縁を感じました。お疲れを充分お癒し下さってのご活躍をお祈りしております。いつか船窪小屋でお話を伺える日を楽しみにしております。
    我が庵には、昨年小屋で働いていらした志穂さんがお遊びにいらっしゃいました。船窪つながりの素敵なひとときの時間、感謝でした。また渕上さんも東京にいらした時にお寄り頂いた様ですが、仕事で不在で申し訳ない事を致しました。
    小屋明けも近いですね?どうぞお身体にお気をつけて明るい笑顔をみせて下さいませ。私も相変わらず分単位で動く忙しさですが、船窪小屋に伺える日を気持の支えに、楽しみに、頑張ります。お元気で!

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