晴
昨夜栂池を発ち、七倉山荘に泊めてもらいました。
自宅を夜7時に出発。ベルグハウスへ立ち寄り、孫達の顔を見て、直ぐ発つつもりが、「慶門」も「志保」も
「だっこだっこ、おばあちゃんいっちゃだめーッ」と大騒ぎ、泣かれてしまいました。
「こんな風じゃ、今後が案じられる・・・」と後ろ髪を引かれる思いでお父さんに送ってもらい出発しました。
実は七倉山荘の主、百瀬さんは1週間ほど前に倒れられ、入院中です。後を引き継いだ桑原さんと百瀬氏の双子の弟さんが
にこやかに迎えてくれました。夕食後の歓談中で、お父さんもお酒を勧められたのですがクルマで帰るので、お茶をいただき、私は部屋へ入らせてもらい、その後、お風呂、就寝となりました。同宿者は他3名、三俣へ入る大工さんたちでした。
今朝は4時半出発です。松本の横内君2人と長野の西さん。横内さんは早く発つと言っていたので、もういったかも、と思いつつ後を追います。
ひんやりとした冷気の中、長袖シャツのまま歩き出します。心がかりだった右座骨も思いのほか調子よく、東電今?「お立ち」まで1時間少しで到着しました。
唐沢のぞきへ6時間半。小鳥達のさえずり以外は、時に聞こえる沢音と風邪の音のみです。大木の樹液が私の身に降りそそいでいるようで、この森の仙人になった気分です。トラバース中間にある大山レンゲは5,6ヶのつぼみを付けて、2,3日で咲きそうです。「今年もよく咲いてくれたね、ありがとう!」と花に話しかけると「お母さんガンバッテーッ」と笑ってくれたようです。
一揺籃も可憐に咲いて迎えてくれます。まだ小さくて頼りなげですが、今日私たちを歓迎する為に咲いてくれたのかなあ、と嬉しくなります。
大岩の縦岩下には、大山レンゲのつぼみが10ヶ位「まだ堅いけど、全部咲く頃は見事だね」とつぶやいて登ります。
岩小屋を過ぎ、鼻つき八丁に到着しても、人の気配が全くありません。木々の葉の開き具合を確かめつつ登ります。稜線近し!天狗の庭で休んでいると人の気配。
「ヤッホーッ」西さんです。「落ち葉掃きではご苦労様!」「横内さんはお連れさんが遅れているわねェ」とのことです。
七倉稜線の雪は去年より少なめです。西さんの後からゆっくりついていきます。彼は持参のビールを雪を詰めた袋に入れ、ぶら下げながら「滑らないでネッ」
そして、富山側に乗越すと、快晴の空に立山連峰。「ただいまーッ帰ってきたよーッ」と叫ぶ。小屋ベンチにリュックを置き、雨戸を開ける、西沢さんの手際のよさを見ながら、私はくつろがせてもらう。彼は先ず、冷やしたビールを一杯飲んでから冬季小屋裏の雪を取りに行く。
私は一番手前の越冬布団の中のビールを出す。彼の取ってきた雪の中へそのビールを入れる。小屋開け一番の仕事がこれである。おっして、後発隊を待つのです。船窪小屋へ夏シーズン一番に到着した人はこの作業を必ずやって置く。というのが「掟」となっています。
改めて這松や周辺を見ると、こまくさはまだ蕾。岳樺の葉は開いたばかり。いつもより寒いのかな?という印象である。
ビスターリビスターリ、AM11時10分着。今日から小屋番生活の始まりです。横内さんはおつかれさんと12時半頃到着しました。そして、4人でまずは雪で冷たくなったビールで乾杯したのでした。4人分の布団は這松の上でポカポカになっています。
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