小屋番小娘トキ日記
8時消灯。静まりかえった船窪小屋。
外を出るとあたりは真っ白だった。
七倉山頂方面へ少しだけ登る。ちょっとしたスペースがあって岩の上がわたしのお決まりのリラックス場所。
上までくると小屋も見えなくて、自分のまわりしか見えない。目を閉じてみると、感じるもの。この空間に溶けていく感覚。沢の音、風の音、この今いる場所、空気そのものと一体になるイメージ。体も骨もなく、呼吸だけが残って空気とまじりあうような。この辺一体に自分が馴染んでひとつになったようなそんな気持ちのいいかんじ。自然の中、山の中にいると気持ちが落ち着いてて感じやすい。月がいつのまにかはっきり顔をだした
ずっと見つめて月の光を浴びた。
辺りがほんの数秒で姿を現す。月のまわりが澄んで星空がでてきた。安曇野の町のネオンや山も。一瞬でかわるなぁ〜と思いながら
ぼーっとする。
気持ちいいな〜
月と見つめあって
大きな存在を感じる。「生きてるなぁ〜」
きづくと30分たっていた、さむっ!と思い、月明かりでまた小屋までおりていく。光をありがとうと月に感謝。優しい光だな〜。今日のお客様もほんとうにみなさんキラキラしていた。たくさんのありがとうを聞いた。
こんなにいい環境に、ここにいれる環境に、おとうさんおかあさん、ペンバさん、出会えたたくさんの船窪ファミリーに、出会えた岳人さんに、今ここにいれることができてる今までの私の生きてきたつながりの糸に、ほんとうに感謝しながら、ストレッチをして体ののびを感じる。
今夜はなんでこんなに気持ちが穏やかなんだろう…
健やかだ。今はもうなにもいらないなぁ〜
ぁあ〜
山は初心者のつたないただの小娘の日記ですが失礼いたします。
おやすみなさい〜
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大そらを静かに白き雲はゆく しづかにわれを生くべくありけり
青空を仰いでごらん。青が争っている。あのひしめきが 静かさというもの。
草にねころんでゐると眼下には天が深い 風 雲 太陽 有名なもの達の住んでゐる
また蜩(ひぐらし)のなく頃となった かなかな かなかな どこかにいい国があるんだ
どこまでも空を見ながら駈けていった、なんていきもち、でも夢だった [15歳ずっと寝たきりだった少女…山川弥千枝]
素敵な感覚経験だ!
「なじみ」の感覚。
それは、実際に存在する感覚なんだけど、下界じゃちょいと難しい。
下界は相変わらずtoo muchだよ。面白いけどさ。
また行きたいね。天空の小屋に。
鐘が鳴るのをたよりに
「日本には水蒸気の多量なる事。…山、山、その平面世界より超絶すること多々。」(明治二十七年 日本風景論 志賀重昂)
「水の青、沙の黄、雲の玄、木の緑…大地の彩色は山を得て初めて絢焕す。」(日本風景論 登山の気風を興作すべし)
※訂正:
どこまでも空を見ながら駈けていった、なんていきもち、でも夢だった
→
どこまでも空を見ながら駈けていった、なんていいきもち、でも夢だった