憧れの読売新道を歩く( その2 烏帽子〜水晶へ)
2日目、小雨の中烏帽子小屋を出発。昨晩の夕食のテーブルでは、7月に船窪小屋にお泊まりいただいた女性お二人(M&Oさんとさせていただきます)と思いがけない再会!このお二人と、同じく夕食をご一緒した単独の男性(ブログにコメントいただいた“オレンジレインウェア叔父さん”→コメントありがとうございました☆)とは、この先方向を共にすることとなりました。さて、私、雨の中山を歩くこと、それ自体はあまり苦ではありません。でも、今日の行程は強風で名高い野口五郎岳の稜線を越えていきます。山で雨と風がセットになったときは気をつけねばならない、と肝に銘じて歩き出します。三ッ岳の登りで、野口五郎方面から下ってきた人たちが次々と「稜線は強風だから気をつけてね」と声をかけて下さいます。皆さんの顔にも、心なしか疲労の色が見え隠れ。黙々と歩いて野口五郎小屋に着いた時には、体も冷えてきていたのでホットミルクを注文しました。少し遅れてM&Oさんが到着、美味しいバームクーヘンを分けて下さいました。野口五郎
小屋は、立地環境も相まって、まるで月面に着陸した宇宙船のような雰囲気。
またいつか訪れゆっくり泊まってみたいと思います。体も温まったところで野口五郎小屋を後にし、大きな白い岩がゴロゴロする道を通り抜け、野口五郎岳の山頂にちらりとだけ立ち寄って、荒涼とした白い道を進みます。時折体がふらつくような風が吹き、顔に当たる雨が痛く感じます。それでも、ふとした瞬間に霧が晴れ、五郎池が姿を現し、また霧の中に消え…そんな幻想的な光景にも出会いました。竹村新道への分岐を過ぎ、岩稜帯に入ります。厳しい岩稜の隙間で命をいっぱいに咲いている花が本当に美しく、励まされながら進みました。東沢乗越から水晶小屋までの遠く感じたこと!地図上では短いですが、思いのほか時間がかかりました。やっと到着した水晶小屋では、温かいお汁粉をいただきほっと一息。夕方には、みんなが待ち望んでいた晴れ間が。「晴れてきたよ!」と、みんな歓声を上げてカメラ片手に小屋の外へ出ていきます。私も急いでスリッパを引っ掛け、外へ。野口五郎方面の展望がすうっと開け、歩いてきた稜線が見えます。反対側に廻れば、雲の平が。みんな野
口五郎方面に気を取られていて、此方側には誰もいない。薄日がが差し込む雲の平からは、
生き物のように次々と霧が生まれ、這い昇ってきては私を乗り越していきます。何だか嬉しくて、しばらくじっとしていました。水晶小屋の夕食は美味しいカレーライスです。みんなで談笑しつつ、たっぷりとおかわり〜!さあ、明日はいよいよ赤牛岳から読売新道。思いを込めて、赤牛岳のバッジを購入します。この先、奥黒部ヒュッテまでは道程も長くエスケープもできない。悪くなる一方のようなお天気を気にしながらも、床に着きました。(つづく)
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