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ふなくぼだより
11月11日

10月27日山下画伯のお子様がお見えになりました。
昨年12月号の山渓本誌に掲載させていただいた私の文章の中に、昔の船窪小屋へ毎年おいで下さり、私や夫を励ましてくださった山下品蔵画伯への愛惜の一節がありました。その文を画伯が在任しておられた慶応義塾中等部の教え子さんであられたK氏がお読みになり今夏船窪小屋へ登ってこられました。そして、先生の茫洋とした懐の深いお人柄の話しとなり、懐かしく思い出させてもらいました。他に宿泊されたお客様にも40年以上昔の針の木小屋と船窪小屋との交流なぞお話しさせてもらいました。針の木小屋の百瀬美江さんには、お互い女同士でしたので大切なご助言等をもらいました。山小屋管理の大変さも、楽しみながらやれば、生きがいになるのよ、といつも美しい笑顔で語ってくれ、その中にはいつも山下先生の存在があったのでした。
その山下画伯春から夏は安曇野を愛し、真夏になると必ず北アルプスに登って原画を求めて居られたのです。そして、針の木峠に泊まり、1週間程の滞在の後に針の木谷をたどって船窪小屋に二週間滞在されていたのです。丁度私と松澤が結婚した頃の昭和37年程の3年間位毎年おいで下さいました。未熟な若い私どもを励ましてくださり、人生の原点のような大切な事をそれとなく教えてくださいました。その山下画伯のお嬢様とご子息の4名が今日ベルグハウスへおいでくださったのです。
 芹沢さんとおっしゃる画伯の三女の方がパソコンで画伯の名前をたどっていった所、船窪小屋が出てきたのだそうです。船窪日記を読むうち例の文にめぐり逢い、今日のご訪問となったのでした。
 パソコンの仕組みはよく分かりませんが、大きな情報網があり、それがすべて結ばれているのでしょうか・・・40年以上前の数少ないお客様の中のお一人である山下画伯の思い出は私や夫の中に鮮明によみがえり、美人揃いのお子様のお顔と重なって、画伯にお会いしているような錯覚を感じさせていただくひと時でした。 
玄関に飾らせてもらってある画伯の絵やアルバムの中、私どもに宛てられたお手紙等、何度も引越した為写真等は半分ほどになってしまいましたが、それでも先生が長女いずみを抱いて船窪小屋の居間に居られるスナップ等何枚かはご覧頂くことができました。たいしたおもてなしも出来ぬまま他に宿をとっておられた山下家の皆様は三時間ほど滞在され帰られました。
山下画伯がこよなく愛された安曇野、特に仁科三湖と後立山の山々。これを機会に四季を通してご来遊くださると約束してくれました。植物画を描いて居られるという芹沢多恵子様から素敵な絵葉書と共に礼状が届きました。
「松澤ご夫妻、北アルプスの山々、雪の栂池自然園、そして麓の紅葉と、父が私たちを呼んで引き合わせてくれたようで、皆が満足感に満たされた旅でした。今朝は山のきのこのソテーとルバーブジャムでおいしい朝食を頂きました。
数々のお心遣い、本当に感謝いたしております。
まずはお礼まで。 10月30日 かしこ」

山下家の皆様おいで下さいまして、ほんとうにありがとうございました。
30年ほど前、突然お姿を隠された山下画伯、あれ以来ずっと気になっていたことが解決したようでほっとしました。
又、山下家の方々がどんなに先生を大切に想い、愛しておられたか、心に染みる思いでした。これからは古い親戚の家へ来るような気持ちでいつでもおいで頂きたいと思っています。

船窪小屋ホームページ6月末日小屋入りと共にご愛読くださいましてありがとうございました。
先日岡山の横山礼子様より山陽新聞に載せていただいた文をご紹介させていただきます。

「再開の山小屋」
北アルプスにランプといろりのある「再開の山小屋」と呼ばれる小屋がある。小屋閉めを間近にして信濃大町の駅からタクシーで七倉山荘まで行った。登山口を探していると「橋を渡って右」と声。振り向くと船窪小屋の松澤さんがいた。二年前にも白雲のわき立つ北葛岳の山頂で同時に顔を合わせ仙人かと思ったことを思い出す。「後を追うから」と送られて急登にとり付く。胸突き八丁を過ぎひざが鼻につきそうになってうんざりした時「鼻付き八丁」という道標が目に飛び込み笑い崩れてしまった。
そこへ声を掛け合いながら下山してくる見覚えのある親子と擦れちがう。「NHKの『小さな旅』に出られた方ですか。」と尋ねると「はい。今年もこの子と三日間、小屋で過ごして、元気をいただいて帰るところです。」と笑顔で答えて下さる。
黄金色のダケカンバ、深紅のナナカマドに見とれていたら、頭を超えるザックを背負った松澤さんに追いつかれてしまった。「天狗の庭―小屋まで40分―」道標を見たら急におなかが空いてくる。奥さんの心のこもった料理は定評のある味で品数も多い。デザートは苔桃のゼリーかなどと考えていたら小屋の青い屋根が見え、静寂の山々に歓迎のかねの音が広がって聞こえてきた。
平成16年11月3日 山陽新聞 泉らん


そろそろ白馬連峰も初雪を被りましたので麓へも新雪が降ることでしょう。「野沢菜漬」は12日から摘み取りが始まり15日頃に漬け込み終了の予定です。お手伝いしながら漬けたての野沢菜を食べにおいでください。では、皆様との再会を楽しみに冬の準備に入ります。これからも船窪小屋ホームページを時々のぞいて下さいね。そしてお便りも楽しみつつ。

松澤 宗洋 寿子






白馬
10月28日、下の廊下に参加された鳥居さんから苔玉が贈られてきました。鳥居さんは今会社をご子息にまかせ、趣味で始められた苔玉を造ってインターネットで販売して居られる苔玉博士です。
想像はしていたのですが、母の日に届くような大きな箱の中から現れたのはとても可愛い真ん丸い苔の玉に植えられたガジュマル(多幸の木)とハシユキカヅラ、つるしだの三点でした。思わず「お父さん苔玉だよー。」と庭に居たお父さんに知らせました。大切に荷ほどきしてテレビの上に飾らせてもらい朝夕眺めています。鳥居さんありがとう!
鳥居さんはテレビでも紹介された苔玉の第一人者です。→鳥居さんのホームページはこちらです。



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