船窪便り 2006年11月号
11月15日 晴れ。寒風となり、夜中に小雪(−5度)
すっかりご無沙汰申し上げました。
10月10日小屋閉めが終わり、下山以来1ヶ月過ぎてしまいました。里の我が家には、懐かしい人々からの手紙や写真、その他、贈り物やら嬉しい頼りがいっぱい届いていました。パソコンの開いて見ているお父さんは、一応読み終えるとプリントにして私にも見せてくれ、「この人はどんな人だったかなあ」とか、「あの人だ又メールをくれたぞ」とか言って、笑いが絶えることがありません。
その他は、村役場からの請求書や、その他の支払いなどなど、こちらは大変です。もう船窪小屋からの収入は一切無く、預金通帳の中身は残り少なくなり、支払いを終えるとわずかな数字になってしまいました。お父さんいわく「ま、何とかなるさ」とのことです。
そろそろホームページの入稿をせねばと思っていた10月28日W一家(船窪小屋ホームページ担当)とMちゃん母子がCちゃん(2歳)Sくん6ヶ月を連れて、揃って訪問してくれました。孫志保も1歳半を過ぎ、言葉も大分話せるようになりました。お二人の顔を見て、お姉ちゃん!赤ちゃん!と嬉しくて仕様がありません。Cちゃんは一番上のお姉さん何でもお話が出来ます。S君は髪の毛が黒々として体も大きいのですがアトピーのため、あちこち赤くなって痒そうです。
船窪のお父さんの助言により、次の日の29日は皮膚炎にいいと言う奉納(ぶのう)温泉へ行くことにしました。始めての子供がアトピーで母乳育児のためママは大変です。母体の食事も制限されています。体格の良かった彼女ですがすっかりスマートになり、ますます美人になりました。
Mちゃんは船窪小屋で足掛け5年、小屋守りをしてくれた人です。Mちゃんファンのお客様は多く、Mちゃんが結婚して小屋へ来なくなってから、全然船窪小屋へ着てくれない人も数知れません。彼女には何とも言えぬ雰囲気があり、周りを優しくしてくれます。来シーズンはCちゃんを連れて登りたいと言っていますので、会っていただける人も多いことでしょう。どうぞ楽しみにして下さい。
よく29日は、快晴の中、小谷村奉納の最奥にある奉納温泉へ行きました。冷泉ですが、皮膚炎によく効くといわれ、S君の痒みが少しでも和らいでくれればいいと思い案内しました。奉納温泉は家族経営でやっていて、若奥さんは私どもの息子と同級生です。都会へ出て洗練された若い頃の彼女はスマートそのものですが、久しぶりに見る彼女は幸せ生活の証でしょうか、すっかり貫禄がついていました。
3人の孫のほか加賀美氏も同行しました。Sパパとママ、Mちゃんと私の一向8名は貸切状態で温泉につかり、至福の時をすごしました。S君も気持ちよさそうにママと湯船に漬かっています。帰りには源泉をタンク一杯もらってきました。
久しぶりの再会、時が経つのが早かったですね。ベルグハウスで待っていてくれたマリ先生と共に昼食にぺペロンチーノをいただき、自宅の裏庭でお父さんの造ったナメコを採って帰りました。
Mちゃん、Wさん共に母親となり、山から遠のいていますが、子育てが軌道に乗った頃には家族揃って船窪小屋を訪ねてくれることでしょう。そうなる日まで私もお父さんも丈夫でいたいものです。
その後、村の文化祭やベルグハウスの手伝い、冬支度などに追われて11月11日があっという間にやってきました。
11日(土)の夕刻から、大町山岳博物館で、船窪小屋のリピーターでもある、松下仁さんの「アコーディオンコンサートの夕べ」が開催されました。
山博ホール横にあります喫茶兼土産品店「こまくさ」が11月12日で翌春まで閉店されますので、店閉め最終日に向けて、今日の催しとなりました。集まったお客様は70名余り、山博始まって以来の盛況だったようです。このコンサートは山博友の会の企画によるもので、仕掛け人はマリさん!マリさん本当に良かったですね。こんなに集まってくれて・・・。
参加者の中には勿論渕上さん始め、岡ちゃん、茶臼チームのほか、船窪ファンも十数名居られました。松下さんの演奏は例の如く黒メガネに今回はタキシード(?)を披露してくれました。
あのバイタリティに富んだ美しい音色が、山博館内に響き渡り、第一部が終了しました。
第二部は船窪小屋でのあのスタイルで現れ、一部での緊張をほぐすかの如く、ジョークがいっぱい飛び出して会場を沸かせます。2部ではマリさんとの共演もありました。マリさんのフルートの澄んだ音色と合わせ、更に美しい音色となって聴衆を魅了してくれました。予定した時間もあっという間に終わり、アンコール曲に盛り上がった会場は熱気に溢れ、笑顔と笑い声に満ちていました。喫茶コーナーに設けられたコーヒー、紅茶、軽食を食べながら、土産品(1割引)を物色しながら皆さん満足げに談笑しています。
私どもは8時半頃に会場をいとまして、ベルグハウスに泊まるという10名のリピーターさんと共に9時半過ぎにベルグに到着しました。
明日から始まる野沢菜漬作業の手伝いに来てくれた、名古屋の内川さんご夫妻も交え、優ちゃんが用意してくれた”夜食”をつまみながら、酒宴が始まりました。
松下さん、マリさんもお腹を空かして帰ってきました。夏の思い出を振り返りながら話は尽きません。
お父さんは大好きな曲”アンダンテ・カンタービレ”を2回も演奏してもらい大上機嫌です。お父さんと私は12時頃、眠気を我慢できず自宅へ帰りました。翌朝聞くところによると、朝方3時まで続いてお開きになったとか。次の12日は明け方から雪となり、ゲレンデは白い雪原となっていました。そして今日11月15日、野沢菜洗いが終わり、明日から漬け込みが始まります。12月上旬には美味しく漬かります。食べに来てくださいませ。それではまた。
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