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ふなくぼだより 2007年5月

連休最終日は雨降りとなりました。
昨夜はベルグハウスの宿泊客も少人数となりました。連休中は大勢のお客様が来られ、私もお父さんも志保の子守とともに優子夫妻の手助けで忙しい思いをさせてもらいました。



5月2日、黒部湖御山谷出合まで行き、久しぶりに二人で山行しました。
雪の多かった昨シーズンに比べ、黒部湖畔の夏道は”ロッジくろよん”下まで雪もなく、早いペースで行き、御山谷出合まで1時間半で到着しました。
途中2箇所の沢は、お父さん持参のスコップで足場を切り登下降が大変でしたが、何とかクリアし、出合に来てみると、御山谷お水量は多く、上部まで沢が空いて、雪量が
少ないため、左岸を大きく高巻きしなければなりません。
5月3日に予定していました、御山谷スキーツアーは見合わせることになりそうです。
10時頃には小雨が降り出し、雨足はだんだん強くなりました。私はおにぎりを一つ、おとうさんはジャムパンを食べて帰路に着きました。
春遅い黒部谷の黷フ木々のこずえも少し赤みを帯び、芽吹きの近いことを知らせています。
ダム着11時15分。11時20分発のトロリーには間に合わず、次は1時5分まで待つことになりました。
連休はじめの黒部湖はスキーや山行きの人々、ダム湖見学の人々でにぎわいはじめてはいましたが、それほどの人出ではありません。
黒部ダム完成から40年を経て、ここを訪れた人々は5000万人になるそうです。後わずかで達成の祝賀会が連休中に行われるとのことでした。
私達もおかげ様で今日、元気に奥深いアルプスの渓谷、黒部に身を置くことができました。2人にとって今シーズンは大変意味深い年になりそうです。
4月はじめ以来ご無沙汰申し上げていましたが、色々ありすぎて、ホームページへの日記を書けずに居ましたが、改めて、新しい思いのもとご報告いたします。

お父さんは昨年早々に手術しました。右肺下葉は切除しましたが初期でしたので、ほかへの転移もなく完治することができました。しかし、肺活量が減ったため、歩行中は疲れ易く、私と歩くと差が出てしまいました。
それをカバーするため、プールでの水中歩行やスノーシュー、スキー、山菜取りなどにより、この頃は息使いもだんだん良くなりました。そして、4月2日から2週間、安曇野池田町の安曇病院にて頸部の治療を受けました。その間、寿子は毎日栂池から池田町まで日参しました。二人でともに暮らすことの大切さ、幸せを思い知る日々でもありました。
一人で居れば誰にも邪魔されず、自分の思うように過ごせるし、やりたかったことも自分流に何でもできる、この間に今まで溜まってしまった日記も、手紙も全部書ける、自分流のシナリオで過ごせる毎日を、あれこれ描いていたのですが、この間に何一ッ実行することができず、日々だけはどんどん過ぎて4月16日、お父さんは帰ってきました。「ああ、帰ってきて良かった!」ということ。その日からまた今までの日常生活が始まりました。気持ちの中にある”安心”と言うものを実感しております。
この間、唯一実行できたこと、それは人間ドック、脳ドックでした。3年ぶりに受診しました。脳ドックの判定は「”多発性脳梗塞”この年齢ですと取り立てて心配するほどでもありませんが、場所がずれればいつ倒れてもオカシクありませんね」とのことでした。
ショックは大きいのですが、予防法としては血液サラサラ薬の飲用位です。とのことで、今は毎日飲んでいます。
冬、春共に病院通いとなりましたが、お父さん曰く「しっかりリニューアルしたで、これで20〜30年は持つかな」とのことです。ちなみに松澤家の両親は父93歳(故人)母96歳です。最後までボケないでいたいものですね。

連休も終わり、小谷は山菜のシーズンとなります。まずは戸土の奥角間池(戸倉山の上り口)辺りへ”こごみ”採りに行く予定です。次は行者にんにく。そして独活(うど)、山蕗となります。その間にルバーブジャム造りがあります。

4月9日に水晶小屋へ行ったヘリコプターが墜落してしまい、大変な事故となりました。アカギヘリコプターは船窪小屋へも協力していただいております。貴重さんも営業の小川さんも良く存じている方です。
三俣山荘の伊藤家の皆様、水晶小屋改築に情熱を傾けて居られましたのに…。
そして工事関係者の皆様、お二人の命が亡くなられ、申し上げる言葉もございません。先日、伊藤家様よりのお便りにより、ご長男夫妻は穂高の自宅より通院しておられます由でございます。今後は水晶小屋の改築が一日も早く進められますことを祈るのみです。

めぐり来た春、草も木も一気に目覚めたのか、次々に新しい命が誕生しています。先日まで、頭をチョット見せていたシラネアオイが、今日の雨に誘われたのか、濃いブルーのつぼみが膨らんで、8本ある下部の先端にそれぞれ、けなげにも下を向いて8ヶも蕾がついています。
隣の株も芽を持ち上げ始めました。自宅の周りに植えたカタクリは100本ほどもう種を付けて、葉も茎もその内に土に返っていくのでしょう。ニッコウキスゲ、行者ニンニク、クリンソウ等、この暖かさは山々を一気に緑に変えることでしょう。

お父さんの体調に配慮されたのか、今冬は私達二人を訪ねて下さる方々も少なかったのですが、渕上さんは数回来て下さり、新しいDVDを見せて下さったり、「佐々成政のサラサラ越え」DVDと針ノ木谷復活にかける男をまとめて下さったりしました。
そして、渕上さんの作品「船窪花街道」「北アルプス展望の稜線縦走」が、新潟県で行われました「山と高原の夕べ」大映写会!!で上映されました。
しかも、上映された4本の作品(3時間)はすべて(渕上さん除く)プロ集団で作成されたものでした。大町市観光課の方から依頼により、お父さんが提供させてもらったものですが、プロ集団の作品、NHKエンタープライズ等の作品と共に上映された渕上さんの作品は、ほかと比較しても決して引けをとらない、立派な作品でした。
プログラムNO1妙高山・火打山、NO2富士山・白山・立山、NO3北アルプス船窪・鳴沢・針ノ木岳、NO4白馬乗鞍・上高地・槍・穂高連峰、というものでした。
日本の名峰が並んで紹介されている中でも、渕上氏の作品は細やかで美しく、センス溢れる感性がにじんでいました。改めて氏の腕前に敬服しました。と同時に、船窪小屋を愛し、訪れてくださる登山者の皆様を迎えるのに、どうしたら喜んでもらえるか、氏のビデオにより、曇りの日や雨の日にサービスしてやりたいとの思いのもと、
今シーズンもアイデアいっぱいのDVDをご覧いただけると思いますので、是非ご期待ください。

長い文になってしまいました。今後は5月中に七倉尾根の下見に行きます。シャクナゲ情報も写真と分で紹介できればと思います。
昨年の今頃は「山の上のお母さん」出版で忙しく、緊張の毎日でした。登山者の皆様や、私のお父さんを支えて下さった皆様の熱い思いに涙しながらの毎日だったと思います。
おかげ様で出版しました本も2刷目となりまして、今シーズン山小屋へ持ち上げて皆様にお求めいただければ全部完売と思います。皆様のご協力に改めて感謝申し上げます。
未だ書き足らないですが、次の号をご期待ください。