北アルプス ランプの山小屋 船窪小屋

船窪だより 10月

早足に訪れた山の上の秋、小屋閉め10月13日の頃には、全ての木々は葉を落とし、冬に向けた装いとなりました。
そして、10月8日の夕方初雪が降りました。道普請のため船窪岳方面に行っていた勝野さんは、ずぶ濡れとなり帰って来ました。今シーズン勝野さんの活躍は大変なものでした。
「オレはお父さんの下向で頑固な勢意に惚れてきているだけでね。何にも心配しなんでおくれ!」といいながら曇っている位の日には毎日早朝から夕方遅く迄、しっかり予定を立て、働いてくださいました。
おかげ様で悪い道も少しずつ直され、大分歩きやすくなりました。
今シーズンも大勢の協力者の皆様、ボランティアの皆様のお力添えにより、100日余りの山小屋生活を終了することが出来ました。おいでくださった岳人の皆様、お手伝いしてくださった方、ボランティアさん他、全ての皆様に深く感謝申し上げます。
台風一過で快晴となった11日朝、2センチほど積もった雪は、全ての風景を白一色に塗り尽くしていました。玄関の戸を開くと立山連峰は真白く、宿泊者30名ほどのほとんどはカメラ片手にあちこち飛び回っています。昨夜のコンサートで寝不足気味の松下さん。「寝てる場合じゃないよ」と節ちゃんに起こされています。新造さんはカメラより眠気!とばかり布団の中にもぐりこんでしまったとか・・・。
しかし、この新雪を被った山並みは日が射すと1~2時間で雪が消えてしまいました。快晴の山々はどこまでも青く深く澄んだ空の下に広がり、人々の歓声を嬉しそうに受け止めていました。

10日、11日と快晴が続いてくれたおかげで食器類は綺麗に研磨され、シーズン中外されたガラス戸も閉められ、徐々に新聞紙やビニール袋に包まれて、収められ整理整頓されました。
外のタンクも綺麗に洗われ、「水が出なくなるぞ、必要分は桶にでもためておいてくれ」ということで、水は蛇口から出なくなりました。布団もブルーシートに入れられ、ビールもジュースも残った山芋もじゃが芋も布団の中に収まり来春を待ちます。
新造さん、おさんぽ隊長、松ちゃんがカレーライスを食べて帰り、残った人は13名となり、最終夜を迎えました。

10月12,13日(日、月) 快晴 1度、3度

昨夜は茶臼小屋の高橋さん差し入れのカツオ刺身と、照り焼き、残った生ハムや生野菜で女性軍心づくしの豪華料理が振舞われ、2009船窪小屋閉めの夜は囲炉裏端で薪の火を囲みながら静かに楽しく過ぎていきました。
13日は5:30朝食一名のお客様を送り出し、トイレの窓も閉められて、小屋の中は真っ暗くなり、玄関の鐘も看板も炉端に集合し、鉄瓶の中に新聞紙が詰められ、全員最後のお茶とお菓子、パン等で小腹づくりをして、下山となりました。
「今年も無事終わったね。来る春まで、ここでがんばって風説に堪えていていてくださいね。お天道様と仲良くすれば小屋の傷みも少ないからね。来年までサヨナラ。よろしく頼むネ。」と小屋に別れを告げ出発しました。
お父さん「俺は5時間掛かるで一番先にしてくれ」ということでしたが、3時間半で下り、お母さんは4時間掛かりました。大町の「俵屋」ですきやきと大ギョウザを昼食として食べ、2時半頃解散となりました。皆さんありがとうございました。


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