7月2日。1ヶ月前とは姿を変え、ブナの森はむせ返るような緑です。
始まったばかりの山の季節に、少しばかり心細い足取りで進んでいくと、イチヨウラン、オオヤマレンゲ、サラサドウダン等の花が白く秘かに・・・穏やかに・・・微笑んでいます。去年の小屋開けの時期に、花の数を数えながら心に刻んだオオヤマレンゲとの再会は約束通り、この静かな道でかなえる事ができました。 その後、私たちは、鼻付き八丁のハシゴの側で思いもかけない姿で倒れて道を塞いでいる巨木に、立ち止まってしまいました。森に香しい針葉樹の香りを漂わせながら、想像もできないくらい長い命を、今この季節に終えたばかりなのです。長い間、雪にも雨にも夜の闇にも耐えて来た、とてつもなく大きな木が、沢を駆け上がって来た風に闘いを挑まれたのかもしれません。 続きを読む… »
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