栂池の宿仲間でもあり、息子の子供の頃スキージャンプのコーチとしてもお世話になってた相沢夫妻が扇沢から訪ねてきました。「やぁー、一度どうしても来たかったんで、今日やっと実現したわい!」とのこと。思いがけない訪問にお父さんと共に大歓迎でした。そして次の日奥さんの京子さんは名倉へ下山し、彼は烏帽子廻りで下山することに。よく晴れたこの日、稜線を行く彼の姿を双眼鏡で追うことにしました。なんと!船窪第2ピークの斜面に見え隠れする彼の姿を見たのは出発してから1時間後でした。「やっぱり小谷の熊は違うね」と京子さんと共に追い続けました。そしてピーク到着を確認しようとした時にはその姿はありません。きっとあっという間に通り過ぎてしまったのでしょう。そして彼女は下山しました。私共スタッフは今夜16日はお客様の予約もなく晴れ渡る稜線の中に登山者を見つけようと双眼鏡を覗き続けたのです。そしてなんと、不動岳の山頂に鮮やかな黄色いドーム型のテントを見つけたのでした!お父さん、「ヤッ、しょうがねぇな、あそこはコ
マクサが咲いてるところだぞ〜!ひとりにしちゃテントがでかいな」しばらくするとテントはなく指導標のところに一人たっていました。「どっちへ行くんかなぁ。おっ。こっちへでたぞ。」そして稜線は薄いガスに覆われました。12時過ぎ、斎藤先生がお一人で到着され「一人だけど売上に協力させてもらいますね」とおいしいパンをお土産に持ってきてくださいました。「今夜は先生お一人です。ゆっくりなさってください」とお土産でお茶をいただきました。そして、夕飯前、七倉岳方面から大きな荷物の男が!なんとテントの主は松下大先生だったではないですか!そして例のごとくビールで乾杯後夕食となり、先生と私たちだけの為に素敵なアコーディオンの曲をプレゼントしてくれました。「こんなにゆっくりした船窪小屋は久しぶりですね」と今夜の曲は特別に美しく船窪版”斎藤記念演奏会”となり夜空の星達と山々そして礼子さんにもこの美しい曲がプレゼントされました。まっちゃん曰わく「久しぶりに28キロの荷物を持ってこのコースを歩いたけど、
やぁー、きつかったですねー!」と。翌日の昼食を食べ、久しぶりに訪れた大阪の井上さんと再会の握手を交わし、2度目の演奏会。そして軽くなった荷物を担いでひょいとひょいと下山しました。その後6月末から道しるべの皆様が心を込めて道を直した稜線上で、70代の単独女性の方の事故があり登山道修理に専念して岳人のお客様をお迎えしている山小屋としてはとても悲しく、身の引き締まる思いです。どうぞ登山者の皆様にはできるだけ単独でなく2名以上で歩いていただきたいと思っております。梅雨も開け、アルプスに吹く風も夏山の匂いをいっぱい運んで精一杯の夏山となりました。七倉尾根に咲く手形ちどり、コマクサ100種類以上の花達も今を盛りの満かん飾りとなりました。トキは7月12日に、ペンバサンは7月14日に入山。寿子、お父さん、そしてお馴染みのボランティアさん、皆さんの笑顔に会いたくて毎日お待ちしております。熱いお茶と歓迎の鐘の音が皆様をお待ちしております!ゆっくり安全な山旅であります
ように祈りつつ… 寿子
コメント一覧