北アルプス ランプの山小屋 船窪小屋

船窪だより 4月30日 快晴

 長く寒かった冬が終わり、ようやく春が来ました。

 我が家の周りを囲んでいた2m余りの雪も一気に消えて、カタクリの花が乾いた地面を彩っています。こぶしが咲き、桜が咲き始め、落葉松も薄緑に芽生えています。

 さて、皆様にはこの度のネパール地震について情報はすでに届いて居られるでしょうか。一番心配だった『ペンパ・ラマ家の人々』の安否とエベレスト街道トレッキング中の『斎藤しのぶさんと勝野秀次郎さん』の安否については、両方共に無事が確認されました。ペンパさんは、新しい家の方に住んで居られるようで、激しい揺れに家具等は倒壊してしまい、家の壁にも亀裂が生じたので今はテント生活をしているとのことです。

 そして、しのぶさん、勝野さんにつきましては、一番若い隊員の岡秀憲さんがナムチェバザールを経てルクラまで戻り「ニレカ登山隊」の現状と今後の方針について報告を受け取ることができました。以下内容です。

1.現在の状況

 隊員全員装備共に全て無事です。全員順調に高度順応が出来ています。地震発生当時全員昼食中でした。地震の揺れは日本でしばしば感じられる程度でした。ナムチェバザール→マッチャルモ→ゴーギョ間のトレイルは現在の所大きな異常はありません。人の往来はあります。ナムチェのダメージは非常に少ないです。ナムチェ→ルクラへの道はダメージが大きくかつ観光客が集結しているためパニックの模様です。カトマンズのダメージは甚大で一言でいうと、カトマンズへ戻っての帰国は現時点で不可能です。ここクーンブ地方ではエベレストBCの被害以外で大きな被害は確認されていません。

2.今後の方針

 現状では周辺環境に明らかな危険が存在しないこと、隊員及び装備全てに異常がないこと、ネパール人スタッフ及び家族の安全が確認され続行に支障がないこと、カトマンズに戻る選択肢が逆に混乱を招く恐れがあること、以上の事柄から安全第一に計画を継続しながら周辺状況を収集し慎重に判断することとしました。今回のこの判断は現地の最新情報をもとに利己心を排除して総合的に決断した結果です。慎重に、安全第一に行動して参ります。

(4月27日受け・ニレカピーク登山隊長 岡秀憲)

 

 以上の件を遅くなってしまいましたがご連絡いたします。

 メディアでの情報はカトマンズ中心部の痛々しく生々しい映像等に一日も早い安定を願わずに居られません。

 そしてペンパ・ラマ家の人々に以前のような穏やかな毎日が戻ってほしいと現地へ飛んで行けないもどかしさを感じているところです。

 斎藤しのぶさん、勝野さん他隊員の皆さん、サポート隊のシェルパさんやポーター達が無事に帰ってほしいと心より願い、祈っております。

 

 ゴールデンウィークが始まりました。

 栂池はまだ雪がいっぱいあり、スキー・スノーシューもできます。桜が咲き『塩の道街道』は絶好のトレックコースとなっています。ゴールデンウィーク中が好天に恵まれた日々でありますように!!

 私も久し振りに塩の道街道を歩いてみようと思っています。

 皆様も安全で楽しい山行をされますよう、願っております。

                            2015年4月30日   寿子

 

 


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“船窪だより 4月30日 快晴”に対するコメントが1つあります。

  1. 竹村みゆき さんのコメント:

    お父さんお母さんネパールの情報をありがとうございました。ペンパさん一家、しのぶちゃん達の無事も確認出来て感謝です。所属している松本ネパール友好会やウエックトレックでも知り合いのシェルパや友人たちの安否が報告され、心潰れる思いでいましたのが少し平安を取り戻せました。これから雨期に入ると衛生面が懸念されますし、幼い子ども達や弱っているお年寄り達また家や家族を失って悲しみのうちにある方々を思うとその痛々しさに苦しい気持が増します。速やかな復興を願って、教会でも祈ってもらっています。被災された方々と帰国のために苦労されているメンバーの上に豊かな守りと恵みが有ります様に!お父さんお母さんも、どうぞお身体を大切に!亡き夫の一周年を終え、私もようやく元気復活、夏の再会を楽しみにしております。

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