北アルプス ランプの山小屋 船窪小屋

ふなくぼ便り   →道しるべの会通信

船窪小屋に到着したら「船窪道しるべの会」の仲間が今シーズン最後のふとん干しに頑張っていた。 続きを読む… »

10月9日(日)船窪小屋も後2日で営業が終わり11日早朝から防雪戸を取り付け午後は下山という時季となった。 続きを読む… »

屋根に布団を干し終えて、ほっと一息の時間。

囲炉裏端で、ペンパさんトキちゃんがなにやらしてる。

 

ペンパさんとトキちゃん

ペンパさんとトキちゃん

 

これ、山の歌の歌詞カード(日本語)をトキちゃんが読み上げ、ペンパさんがネパール語で書きとめているんです。

この日は「穂高よさらば」でした。

いつか、ペンパさんの日本語の歌を聴ける日が来るのでしょうか?

 

12日は朝から快晴。なんとなく空も秋色。槍ヶ岳もクリアーに眺望できる。初めて槍ヶ岳に「じゅんちゃ」が登ったのは高校1年生の夏。父に連れられての登山。当時の槍ヶ岳山荘の支配人H氏が父の同級生であり同じ集落の方であったので父も登ってみたいとおもったのだろう。父は登山靴ではなく地下足袋に作業服であったと記憶している。その後、春、夏、秋、冬と何度も槍ヶ岳に登っているが、初めて槍ヶ岳に登ったときが一番怖かったと記憶している。自宅に帰って来たときに父に足が震えていたぞと言われ恥ずかしかった記憶が残っている。20歳の晩秋、小槍にザイルを使って登ったことも楽しい思い出。

槍ヶ岳・奥穂高岳・前穂高岳(船窪小屋から)
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小屋から見る登山口である七倉、七倉ダムも水を一杯貯め光っている。下山に要する時間は約3時間。一人で下山したので今回は2時間30分で降りることができた。     (標高差約1,200m)

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お父さんとペンバさんがブルーシートをヘリポートに広げ乾かし、たたみ始めた。ヘリでの荷上げに使用したのかな?
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12日午後下山する際、お母さんから「横山礼子追悼集・駆け抜けた60年」を託され、早速家に帰り一気に読んでしまった。横山さんは昨年の9月急逝され、舟窪小屋のお父さん、お母さんも落胆し連絡を頂いたことを思い出す。横山さんは切絵愛好家で今シーズン船窪小屋で販売している手ぬぐいの原画も作品の一つである。
小屋前にあるテーブル脇に案内板があるのを気付いた方もあると思うがこの字も横山さんの手書きの看板である。少々剥げて来ているのだが十分背景に溶け込んでいる。

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ペンバさんがネパールから持って来て張ってあるタルチョ(祈祷旗)も風と雨で相当痛んできた。経文が書いてあるタルチョは縦糸・横糸で編んであり擦り切れることが良いことのようである。タルチョが風にはためく毎に風が仏法を世界中に広めると言われている。小屋じまいまで残すこと26日(10月10日営業終了)タルチョも風になって飛んでいくのかな~

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ネパールから手伝いに来ているベンバさんが船窪小屋内でネパールから背負ってきたヤクの帽子や手袋、財布を格安で販売している。玄関を入った左側の壁に見本を展示してあるのでご覧頂きたい。詳しくはトキちゃんがHPで書いているので省略します。帽子は大変被り心地がよいのでお勧め。

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本日、学生時代のワンゲル部の友人が小さな新聞の切り抜きを手渡してくれました。

9月8日の朝日新聞「はがき通信」の一部で、そこにはこんな記事が投稿されていました。(by こん)

・・・・3日の「土曜スペシャル 天空の宿へ~にっぽん山小屋物語~」は画面から山野空気が流れてくるようだった。・・・(中略)・・印象的だったのは同じ北アルプス七倉岳の船窪小屋。
鐘を鳴らして客を歓迎し、見送りの際も鐘を鳴らして無事を祈るご夫婦に親のような愛情を感じ,涙があふれた。