

7月3日曇のち雨14℃。
入山から9日目を迎えました。アッという間の日々の時間の流れ…気がつけば今シーズンの船窪便りはすっかり智に任せっぱなしでした。
昨年小屋閉め直前に起きた黒部山域地震の影響で崩れた船窪乗越周辺の修復の為6月23日より勝野さんと田中さんが入山してくださり、7日間の献身的な尽力により綾線は大修復されました。勝野さん田中さんそして協力してくださった道しるべの皆様本当にありがとう!!
6月29日
早朝より始まったヘリコプターによる荷上げは天候の合間を縫って30日早朝に終了出来ました。
今回はヘリで上がってきたお父さん山仲間だった石屋さん要野氏と共にご満悦な様子です。そして夜は小屋開きとゆう事で13名の大家族との祝宴となりました。
この日ヘリの荷上げ終了と片付けが終わり次の便は2便残して30日早朝の作業となりました。
30日は6時にヘリポートより2便が順調に飛んでくれ全便終了となり一安心です。
28日から手伝ってくださった西沢夫妻と鳥居会長、昨日来られた加賀美さん今ちゃん5名が下山しました。皆さん本当にありがとうございました。綾線の修復も不足した資材が届いたので30日に全て終了しました。
30日には塩ちゃんの友人2人と山博友の会の仲間2人が加わり名実共に今シーズンのオープンとなりました。ご協力ありがとうございました。そして7月1日渕上氏を残して全ての人が下山しました。
3日からヨーロッパアルプス山行を控えた勝野氏は小屋番の智と一緒に不動岳まで下見をしてから4時に下山しました。
相生くの雨無情の雨は不動岳を往復する屈強な山男2人の身に午前中から降り続け濡れねずみとなって船窪小屋に帰りつきました。勝野氏は「どうせ同じだから」と靴下と手袋だけをはき替えてそのまま下山しました。
勝じいさん本当にありがとう!!ヨーロッパ山行が楽しく安全でありますように心から祈っております。
1日の雨は夜半ばまで続きタンクを満タンにすることなく止みました。
2日ベルグハウスで待機していた良子さんがヘリに積み残した荷物を持って上がって来ました。毎年この時季に来られる池田町の荒井さんが一足先につきました。
水場へ行く智と共に三人でシラネアオイを堪能してこられたようです。そして今日は11時過ぎから雨となりました。午前中はEM菌を作ったり窓拭きしたり余分なシートをしまったりいろいろ…細かい作業が終わった頃待望の雨が降って来ました。これでタンクが満タンとなり蛇口の水が出てくれれば準備OKとなりますね。
7月の中旬にはトキちゃんも登って来る予定になってます。今シーズン残雪は例年より少し多くこまくさも今日から咲き始め…今シーズンがいつものように天候に恵まれ岳人の皆様にも、私共船窪小屋にも幸せを運んでくれるシーズンでありますよう心から祈りながらシーズン始めのお便りといたします。
残雪の 連なる嶺に 手を合わせ ことし山旅の 無事を祈らん
寿子
本日より、船窪小屋オープンです!昨日まで色々とお手伝いをしてくださった、ボランティアの方は今日でひとまず下山しました。ありがとうございました。冷たいビール冷やして待ってます、また来てください。本日の天気は一日雨でしたが、小屋にとっては恵みの雨でした。荷上げが終わったと思ったら、雨ふらをかねって、みなさんさんざんお日様って言ってたのにわがままだこと・・・今夜はお客様がいなくのんびりの出だしですが、自分たちの夕食作りに、お父さんも参戦!
『どれどれ魚はわしが焼こう』でも魚の焼き具合より、炭の燃え具合が気になってしまうお父さんに、『もうご飯できるダ!早く焼いとくれ!』と、お母さん・・・今年も変わらないお二人です。
山の上での100日間の始まりです。

6月30日の朝はすばらしいご来光から始まりました。
立山・剱岳
6時10分ごろ、ヘリが来ました!昨日ガスのために延期になっていた、残りの2回分。
ヘリから下ろされた荷物に、いっせいに人々が群がる。
梱包を解き、次々運びこんでいく。
次のヘリが来るまでに、ヘリポートを空けないといけないのです。
無事、残り2回の荷上げが済みました。
勝爺さんが、昨日からやきもきして待っていた荷物。それは丸太。
登山道のハシゴの横木に使うものです。
これが無いと、工事が完了しないのです。
さて、出発です。メンバーは勝爺さん、T中さん、K西さん、塩の4名。
T中さんの背負子には丸太の他にバンセン(針金)が積まれており、いかにも重そう。
僕(塩)の背負子には、なにやら食料らしきものが積まれました。
昨日の現場「お地蔵様テラス」まで来ました。
テラスの上の岩が崩れて、登山道をふさいでいたのを、昨日のヘリで上がってきた石工さんと撤去したらしいです。
デポしてあった道具類をここで、背負子につみます。
「僕も持ちますよ」
「じゃ塩ちゃん、これ持ってよ」
渡されたのは、小さな箱。
こんな小さいので良いのかな・・・と受け取ったらずっしり重い。
それは「釘」でした。
なんと4kgもあるそうで。。。さすがに鉄は重いですね。
さらに重みが増した背負子をしょって、先に進みます。
途中、急斜面の残雪を下るところが最大の難所でした。
上体を傾けると、重い背負子に振られてバランスを崩しやすい。
8時30分ごろ、やっとのことで船窪岳山頂に着きました。
今日の現場は、ここ船窪岳山頂。南側直下のハシゴ取り付けです。
登山道が崩れて無くなっていて、旧ハシゴを登りきると、そこには道が無い状態でした。
そこで、新たに作った登山道にあわせて、ハシゴを付け直すことになりました。
作業開始です。
すでにおいてあった縦木に横木をつけていきます。
T中さんが釘を打ち、勝爺さんがバンセン(針金)を巻いていく。
K西さんと塩は横木の丸太やバンセンなどの材料を2人の元に届けます。
10時ごろ、休憩タイム。
渡された袋を開けてみる。
むむ?これは?
おお。これは、こないだ結婚式した元小屋番ひかるちゃんからの贈り物だ!
手紙が入ってる。
「小屋開けのときに皆さんで召し上がって頂けたら嬉しいです。忙しいお仕事の合間の一息に一役買ってくれることを願っています」
ありがとー!ひかるちゃん。美味しかった!
そして、おめでとー!!
お昼休み。
食事がすんで一息ついたころK西さんが僕(塩)に声をかけてきた。
「塩ちゃん、お昼切り上げてバンセン巻いてみようぜ」
もうハシゴの横木はすでに釘打ちされており、後はバンセンを巻くだけ。
実は前日の夕方、K西さんと塩はバンセンの巻き方を皆さんに教えてもらっていたのです。
大丈夫かなー?どきどき。
2人で奮闘していると、勝爺さんとT中さんも下りてきて見守ってくださいました。
「ダメだったら、切ってやり直せば良いよ」
と、いって頂き気がラクになりました。
なんとかOKをいただき、やり直しはしなくても大丈夫みたいでした。
残りのバンセン巻きをK西さんにお任せして、勝爺さんとT中さん共に、第2ピークとの鞍部に向かいました。
途中にあった、桟橋。
鞍部に到着。
鞍部からの崖に近い急坂にかけられたワイヤーをハーケンで固定していく勝爺さん。
これで、ワイヤーがぐらつかず、すこしは登りやすくなったと思います。
作業終了して、船窪小屋への帰り道。
シラネアオイの群生。
デジカメで撮った下手くそな動画ですがyoutubeにアップしてみました。
2012年6月29日。北アルプスの船窪小屋にて。5回の荷上げを予定していましたが、ガスがでてきて3回で終了。これはその3回目です。残りの2回は翌朝無事おこなわれました。
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